更新日:2024.03.29グリホサートとは?主な用途や安全に使うポイントを紹介

除草剤ラウンドアップ製品の主成分グリホサートは、除草剤の主成分です。SNSやインターネットの一部では「グリホサートには発がん性や毒性がある」という誤解もあるため、不安に思われる方もいるのではないでしょうか。

グリホサートは内閣府食品安全委員会の評価結果から、神経毒性・発がん性・遺伝毒性のいずれも認められていません。安全性・有効性共に高く、日本だけでなく世界各国で利用されていることから、安心して雑草管理に利用できます。

この記事では、グリホサートとは何か、主な用途や安全性に関する疑問、安全に使用するポイントを解説します。

アミノ酸系の除草剤「グリホサート」とは?

ラウンドアップ製品の主成分グリホサートとは、除草剤の主成分です。一年生雑草や雑潅木など幅広い雑草管理に効果を発揮し、日本では昭和55年に農薬登録され、世界中で利用されています。使用方法も明確化される、安全性・費用対効果が高い製品です。

グリホサートの主な用途

除草剤ラウンドアップ製品の主成分グリホサートは、さまざまな雑草管理の現場で使われています。例えば、一年生雑草や多年生雑草だけでなく、背が高く駆除が厄介な雑潅木まで有効です。

農業の進歩に貢献してきた歴史があり、現在では農業生産者向けの業務用製品だけでなく、園芸や庭の管理に使える家庭用製品としても普及しています。また、ラウンドアップ製品シリーズは農林水産省登録を取得しています。国が科学的データの裏付けで使用基準が定められているため、ラベル記載を遵守すれば人体や環境への安全性が確保できます。

グリホサートの国内における登録状況

昭和55年に除草剤として農薬登録されています。農薬を製造または輸入するためには、農薬取締法の定めにより農林水産大臣の許認可が必要です。この許認可を「登録」と呼びます。この登録のためには、製造者または輸入者が提出した膨大な効果、安全性に関わるデータを農林水産省、厚生労働省、環境省および内閣府が検査・評価し、その品質と安全性を確認する必要があります。

農薬は農薬取締法の登録制度によって品質と安全性が担保されています。従って、登録のない除草剤は農地だけでなく、人が管理して植物を植えている庭などに使用することも違法となります。
なお、一般に流通する有用な化学物質のうち、主として急性毒性による健康被害が発生するおそれが高い物質については「毒物」または「劇物」として規制されますが、ラウンドアップ製品の主成分グリホサートは「毒物」または「劇物」にも該当しない「普通物」です。

グリホサートの海外における登録状況

日本国内だけでなく世界150カ国以上で有効性および安全性が確認され、承認や農薬登録が行われています。

日本のほか、アメリカ、EU、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの世界各国が安全性を評価して承認しています。また、FAO/WHO合同残留農薬専門家会議(JMPR)も同様で、国際的にも安全性が評価されています。

グリホサートの適用範囲や使用方法

ラウンドアップ製品の主成分グリホサートは、適用範囲や使用方法も事細かに定められています。適用範囲とは、使用できる作物・場所・雑草・使用時期・使用量・使用方法・使用回数の範囲のことです。使用方法は、それぞれの適用範囲に対し以下のように定められています。

  • いつ使用できるか:雑草生育期や耕起前まで
  • どの程度使用できるか:薬量と希釈水量や原液散布の使用量など
  • 何回使用できるか:3回以内など
  • どのように使用するか:雑草茎葉に散布など
  • 総使用回数の条件:3回以内など

グリホサートの安全性

ラウンドアップ製品の主成分グリホサートの安全性は、日本だけでなく各国の規制機関や独立機関も評価している除草剤です。一部のSNS等であたかも発がん性があるかのような主張が見られますが、実際は日本を含む世界各国で科学的根拠に基づいたグリホサートの安全性が評価されているため、安心して使用できます。毒性学の専門家 東京大学名誉教授 唐木英明氏の説明を交えながら解説します。

グリホサートはベトナム戦争で使われた枯葉剤?

ラウンドアップ製品の主成分グリホサートは、ベトナム戦争で使われた枯葉剤とは異なります。ベトナム戦争で使用された枯葉剤エージェントオレンジに含まれていたダイオキシンは、生産過程で発生する副産物ですが、ラウンドアップマックスロードの製造工程においてダイオキシンが生成することはなく、製品中にダイオキシンは含有していません。

実際、毒性学の専門家である東京大学名誉教授唐木氏も「ラウンドアップというのはもちろん、ダイオキシン類なんか全く入ってない、その他の危険な物質も全く入ってない」と述べます。

(参考:『Chapter2グリホサート(ラウンドアップの有効成分)はベトナム戦争の枯葉剤ではない』

グリホサートには発がん性がある?

ラウンドアップ製品の主成分グリホサートに発がん性のリスクは認められていません。日本の内閣府食品安全委員会をはじめとして広範な入手可能な最新のデータに基づくリスク評価を行ってきたJMPR(農薬の安全性を評価する国連機関でありFAOとWHOの合同部会)、EU、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどの各国規制機関はラウンドアップの主成分グリホサートに発がん性の懸念はないと評価しています。

なお、国際がん研究機関(IARC)が発がん性の分類で言及しているのは、単なるハザードで暴露量を考慮に入れたリスク評価ではないため、規制に用いられるものではありません。

唐木氏も「ラウンドアップ(の主成分グリホサート)というのは、世界の研究者が非常にたくさんの論文に基づいて、発がん性はないという結論を出している」と解説します。

(参考:『Chapter3グリホサート(ラウンドアップの有効成分)の発がん性のリスクは否定されている』

グリホサートは世界各国で使用されている

ラウンドアップ製品は現在も世界各国で販売も使用もされています。ラウンドアップ製品の主成分グリホサートは、日本のほか、アメリカ、EU、カナダ゙、オーストラリア、ニュージーランドなどの世界各国の規制当局も安全性を評価しております。また、FAO/WHO合同残留農薬専門家会議(JMPR)も同様で、国際的にも安全性が評価されています。一部の海外では使用禁止等といわれておりますが、その多くは農業用以外の使用、例えば景観維持の観点から使用を禁止している事例であり、グリホサートに限らず化学農薬全般に対するものだと認識しております。

グリホサートを含む製品を安全に使うポイント

ラウンドアップマックスロードなど、グリホサートを含む製品を使うときは事前に使用上の注意をよく読み、適用範囲や使用方法を守って使うことが大切です。使用時はマスクや手袋、長袖長ズボンを着用する、散布当日は散布場所に入らない、散布したい雑草以外などにかからないようにするなどポイントを解説します。

使用する際は長袖長ズボンや手袋を着用する

ラウンドアップマックスロードのように、グリホサートを含む製品を使うときは、農薬用マスク・手袋・長ズボンと長袖の作業着を着用します。作業が終わった後は手足や顔などを洗い、うがいをしましょう。

対象の農薬全般に決められている注意事項として、作業中、散布液や原液が手についたときは、すぐに石けんを使いよく洗い流します。もし異常が見られる場合は、皮膚科医などに相談してください。また、万が一目に入ったときは直ちに水で洗い、眼科医を受診して下さい。

散布当日は使用範囲に入らないようにする

公園や堤とう等の散布場所に該当するすべての農薬に対する農林水産省のガイダンスにより、農薬の使用中と使用当日に関係者以外を立ち入らせないように、使用区域には縄囲いや立て札を立てるなど配慮してください。

万が一ペットなどが散布場所に入り、薬剤が付着したときは洗い流します。もし、様子に違和感があるようであれば専門の医師に相談してください。

散布したい雑草以外にかからないようにする

ノズルを上げすぎると想定外の飛散につながる可能性があるため、できるだけ雑草に近付けて散布してください。風向き(他の気象条件も)や周囲に十分注意し、散布したい雑草以外の物にかからないよう注意しましょう。風の強い日は散布を中止してください。

安全使用上の注意点を遵守してグリホサートを使おう!

グリホサートを有効成分とするラウンドアップ製品は、幅広い雑草に有効な安全性の高い普通物*です(*毒物・劇物に該当しないものを言う総称)。日本では昭和55年から農薬登録され、国際的にも安全性が認められ現在も世界各国で利用されています。

安全かつ効果的に活用するためにも、使用前には製品ラベルをよく読み、ラベル記載以外には使用しないようにしましょう。

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