動画でみる グリホサートの安全性Chapter3グリホサート(ラウンドアップの有効成分)の発がん性のリスクは否定されている

合庭

はい。次のテーマに移りたいと思うんですけども、ラウンドアップには発がん性があるというSNSでの投稿が、非常に数多く見られます。この件に関して、先生の見解をお聞かせ願えますでしょうか?

唐木氏

そうですね、それは全く事実と反する誤解なのですけれども、残念ながら広く広がっているように見えますね。

合庭

そうなのです。これはですね、2015年に国際がん研究機関、IARCがラウンドアップの主成分であるグリホサートを、「ヒトに対しておそらく発がん性がある」というグループ2Aに分類したことが、この投稿に繋がっているというように考えております。

唐木氏

全ての始まりは国際がん研究機関の分類だというふうに考えられますけれども、今おっしゃったように、国際がん研究機関は「がんを引き起こすもの」をグループ1と、「がんを引き起こす可能性があるもの」をグループ2Aというように分類をしてるわけですね。グループ1にはタバコが入っているし、それから、最近そこにハム・ソーセージというような加工肉が入ったということで非常に話題になりました。

グループ2Aの方には、美容室であるとか、あるいは夜勤であるとか、その他に豚肉や牛肉も入ってきたということで大きな話題になった。ここにグリホサート(ラウンドアップの主成分)が入れられたということですが、国際がん研究機関のその判定に対して、2つの大きな問題が指摘されていました。

唐木氏

その1番目は、ラウンドアップ(の主成分グリホサート)というのは、世界の研究者が非常にたくさんの論文に基づいて、発がん性はないという結論を出しているのに、国際がん研究機関だけが発がん性があるという判定をした。これに対して世界の研究者が、それはおかしいということで非常に強い反論が出ている。これが一つ目の問題です。

2番目の問題は、国際がん研究機関が、ラウンドアップ(の主成分グリホサート)を「おそらく発がん性がある」というところに分類したから、これは禁止すべきだと、こういう論調も、SNSとかいろんなところでありますね。でも、もしそうであったら、豚肉・牛肉は禁止しなくちゃいけない。その上のランクにあるハム・ソーセージは当然禁止しなくちゃいけない。あるいは美容院は禁止しなくちゃいけない、夜勤も禁止しなくてはいけない、そういうことになるわけですけれども、そちらには何も言わずに、ラウンドアップだけをクローズアップして、これを禁止しろという、これは何らかの違う意図があるというように考えざるを得ない。

そういう二つの問題が、IARCの判定に関係して今起こっていることだ、というように思います。

合庭

よくわかりました。先生、それではですね、なぜIARCはこのような分類をしたのでしょうか?

唐木氏

それはですね、世界の研究者がその国際がん研究機関の判定を検証した結果、間違いがあるということがわかりました。

一番新しい一番大事な研究結果を除外してある、ということです。その新しい研究結果が入れば、発がん性がないということは明確になるのだけれども、そこをなぜか外してしまったと、こういう間違いが一つ。

それからもう一つは、国際がん研究機関の裁定というのは、いわゆるハザード。
ハザードというのは、がんを起こす可能性があるかないかというのがハザードなのですが、可能性がある、あるいはあるかもしれない物質を同定しているのが、国際がん研究機関です。しかし、そのハザードが実際にがんを引き起こすのを、リスクという。ハザードがたくさんあれば、リスクが大きくなってがんが起こりますけれども、そのリスクのことを、国際がん研究機関は何も言ってないわけですね。

ですから、さっきお話したように、例えば牛肉の中には確かにハザード、がんを起こすかもしれない物質が少量入っています。でも非常に微量ですから、毎日牛肉をがばがばと食べてもがんにはならない、ものすごい多量を食べればなるかもしれない、それがリスク。

そこのところをきちっと区別をしてないで議論をしているというところが大きな問題というように言えると思います。

合庭

リスクとハザードの違いということだと思います。IARCの分類というのは、要するにそんなに心配する必要はないということがよくわかりました。

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